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星座への招待

はじめに

 およそ5000年の昔、チグリス・ユーフラテスの両大河にはさまれたメソポタミア地方に、羊の群れを追って放牧の日々を送っていた古代カルデアの人々がいました。
 彼らは夜もすがら羊の番をしつつ満天の星を眺め、いつとはなしにそれらに名前をつけ、まためぼしい星々の配列をけものや巨人の姿にみたてて星座をつくったのでした。その多くは後にギリシアに伝えられ、はなやかな神話の数々にいろどられて全天をかざるようになりました。今日、我々が親しんでいる星座の大部分は、この時代からのものなのです。その星座ひとつひとつに、5000年の昔がしのばれ、また古代の人々の豊な想像力、のびやかなロマンティシズムを読み取ることができます。
 しかし、星座の歴史や神話伝説についての深い知識のあるなしにかかわらず、星々の名を知り、星座に親しむものには、独特の喜びがあり、楽しさがあります。
 また、人工の燈火のさまたげなどのない原始のままの闇夜にながめる星座には、いいようのない荘厳さがあり、あわただしい現代社会の中で、ふと自己を取り戻し、自己を見つめ直してみる機会さえ与えてくれます。

星と星座について

  1. 星の数と明るさ
  2.  今日、空全体には、88個の星座(うち、日本で見られるのは73個)が定められていますが、それらをつくっている星々のほとんどが、恒に位置を変えない星、つまり恒星です。恒星がなぜ動かないか、一口にいえば、それらは、太陽や惑星などとは比較にならないほど遠方にあるからなのです。
     全天における星々の明るさと数は下の通りです。(等星が下がるに連れて、2/5倍づつ明るさが落ちていく)

    等星 1 2 3 4 5 6
    明るさ(1等星を100とする) 100 40 16 6.4 2.6 1
    およその数(個) 20 60 190 710 2000 5600
  3. 星の色
  4.  赤っぽい色・・・温度が低く年寄り

     青っぽい色・・・温度が高く若い

  5. 星の動き
  6.  星は、地球の公転により、1日に4分分(=1/365)だけ余分に進む。(例、今日のPM8:00の星座を明日見ようと思ったら、PM7:56でなければならない。)

  7. 星座の大きさ
  8.  実際にながめる空では、想像以上に、星座はずいぶん大きいものです。空の上では、物差しをあてるわけにもいかないので、いわゆる見かけの大きさ、すなわち角度で表します。
     例えば、北斗七星の端から端までは、ほぼ25度あります。他に、オリオン座・・・20度。太陽・月・・・30分(0.5度)etc・・・・。
     また、天の北極は北を向いて水平から上へ35度のところ、天の赤道は南を向いて水平から上へ55度のところにあります。

星の神話・見つけ方

大熊座・小熊座(北斗七星)

 月の女神アルテミスにつかえる大勢の待女の中に、カリストというとてもスポーティーな娘で、野山で狩をするのが大好きな娘がいました。大神ゼウスはその快活なカリストを見ていっぺんに気に入り、自分の姿を月の女神に変えるとカリストに近づき、とうとう彼女を自分のものにしてしまいました。やがて愛らしい男の子アルカスが生まれました。怒ったのはゼウスの正妻ヘーラです。ヘーラはカリストを一匹の大きな熊にしてしまいました。それから、十数年が流れカリストの子アルカスは立派な若者に成長し、母親の血をひいて狩の名手になっていました。そうしたある日、アルカスがカリストのいる森へ狩にやってきて、偶然にも2人(1人と1匹)は出会いました。
 カリストはあまりのうれしさに自分が熊であることを忘れ、思わず走り寄った。ところが、この熊がまさか自分の母であろうとは夢にも思わないアルカスは、この大熊を射殺そうとしたのでした。これを見ていた大神ゼウスは2人の運命をあわれみ、アルカスは小熊の姿に(小熊座)変えて、母親(大熊座)もろとも天にあげてしまった。この時、2匹のしっぽをつかんで投げたので星空の熊はしっぽが長くなってしまったのでした。おおぐま座

 北斗七星は、この大熊座の胴体としっぽの部分ですが、北斗七星には、民族によって様々な伝説があります。それを2・3紹介しましょう。

こぐま座 アメリカのインディアンたちは、北斗七星を熊としてとらえているのですが、インディアンの熊は、ひしゃくの水の入る部分なのです。そして、ひしゃくの柄にあたる3個の星が狩人なのです。
 「あっ!、熊だ、つかまえろ!!」と3人は追っかけていますが、先頭はやりを、真中はもうなべを、そして最後は1番気が早くナイフとフォークを持っています。熊は、どんどん逃げて行きますが、春・夏とすぎ秋になった頃、西の山に頭をぶつけて、とうとうつかまってしまいます。その時、熊の血が、空高く飛び散ってその血がぱらぱら降ってくるために、秋になると野山の草木がいっせいに赤くなるのだとインディアンたちは考えています。

 次に、その四辺形を家に見ているのが、韓国です。あるお金持ちが、1人息子のために新しい家を建ててやりましたが、大工が下手なために、家は正確な四辺形になっていません。そこで、息子(真中)は怒りかなづちを持って大工を追っかけていきます。怒る息子をそのあとから「まあまあ」と言っているのがお父さんです。

 一番気味の悪いのはアラビアに伝わるお話で、四辺形を棺桶に見たてています。
 父親を亡くした3人の娘たちが、お葬式をやっていますが、このお葬式はいつまでたっても終わりません。復讐のためだからです。なぜなら、お父さんは殺されて、その犯人もわかっているのですが、なにしろ恐ろしい男なので娘たちはたちうちできず、そこでお父さんの亡がらの入った棺桶をひきずって、うらめしそうな顔をしながら、犯人の家のまわりをぐるぐると回り続け、永久に終わらないお葬式をやっています。さすがに犯人も気味悪く、家の中でじっとしています。もうおわかりでしょう、犯人は北極星です。アラビアでは、大昔から北極星のことを人殺しの星とよんでいたそうです。

見つけ方

 ただ、なんとなく星空を見上げただけで、真っ先に飛び込んでくるのが北の空高くかかった、あのひしゃく形をした北斗七星です。夏には北西にますを下にして逆さまに立っています。
 大熊座は、北斗七星の部分だけがよく目につき、はじめての人には大熊の姿を見つけ出すことは、少々めんどうであるかもしれません。それでも、大熊の爪にあたる部分に2個ずつ星がならんでいるのを手がかりに、ていねいに結んでいくと、突然星空に巨大な熊の姿が浮かびあがってきて驚かされることでしょう。
 また、北斗七星のひしゃくの口のふたつの星を結んで5倍にのばせば、北極星にとどきます。そして、この北極星をしっぽの先にもつのが小熊座です。

カシオペヤ座

 カシオペヤは、エチオピアの王ケフェウス(ケフェウス座)の妃です。彼女は大変な器量自慢で、「海に住む妖精たちも、私の美しさにはかなうまい」と言ったばっかりに、海神の怒りをかい、娘のアンドロメダ姫(アンドロメド座)を、海魔ティアマト(くじら座)のいけにえにささげなくてはならなくなってしまった。娘は、運良く天馬ペガスス(ペガスス座)にのってとおりかかったの勇士ペルセウス(ペルセウス座)によって危うく助け出されるが、カシオペヤ自身は、椅子に座ったまま空にあげられ、1日に1度逆さまにつるされることになってしまった。カシオペア座

見つけ方

 北の空高くに、W字形の姿を見せ、必ず目にとまるのが、この星座で一年中いつでも北の空のどこかにかかっています。
 そして、北斗七星のひしゃくの柄の先から2つ目の星(ζ(ゼータ)星)と北極星をむすんだ延長線上のそれと同じ距離のところにカシオペア座のδ(デルタ)星があります。また、β星とα星を延長した線とε(エプシロン)星とδ星を延長した線の交点とγ(ガンマ)星をむすんで、北に5倍のばすと、北極星にとどきます。

おとめ座

おとめ座 おとめ座は、麦の穂を持ち、あらゆる生き物をはぐくむ農業の女神デーメーテールの姿と言われています。

 デーメーテールの娘、ペルセポネはある日、野原で花をつんでいました。バラ・サフラン・スミレ・スイセン・・・、このスイセンこそ魔法のかかった恐ろしい花だったのです。何気なくスイセンを引き抜くと、みるみるうちに大地が割れ、馬車に乗った黄泉(死者)の国の王プルートンにさらわれてしまいました。プルートンに娘をさらわれたことを知ったデーメーテールは、悲しみのあまり、山の洞穴へこもってしまいました。すると、あらゆる生き物をはぐくむ女神がいなくなっていまったので、野山の木や花は枯れ、風も雪まじりのものが吹くようになりました。人々は大変困り、大神ゼウスに祈ります。ゼウスは使者をプルートンのところへつかわしました

 プルートンは「大神ゼウスのおっしゃることならばしかたない。ペルセポネ、家へ帰りなさい。それから、途中でのどが渇いたら、このザクロを食べるといい。」と言いました。ペルセポネは帰り道、4粒のザクロを食べました。デーメーテールが、娘ペルセポネを迎えに洞穴から出てくるとどうでしょう。地上は再び、鳥がさえずり、花が咲く春の景色にもどりました。

 しかし、プルートンのさしだしたザクロを4粒食べたペルセポネは、1年のうち4ヶ月、黄泉の国へ行かなければなりません。そして、その間、デーメーテールは悲しみのあまり洞穴の中にひきこもってしまうのです。この4ヶ月間、地上では冬となるのでした。

見つけ方

 北斗七星の柄を延ばしていくとオレンジ色に光る明るい星、アルクトゥルスがあり、更に延ばしていくと、青白い美しく輝く星スピカがあります。(春の大曲線)

うしかい座・りゅう座

 このうしかい座は、一般に天球を肩にかついで支えている巨人アトラスの姿といわれています。うしかい座

 勇士ヘルクレスの成し遂げた12の冒険の第11番目のもので、天国に金のリンゴを取りにやらされた時、その木の下で番をしていたのだが恐ろしい竜でした。この怪物は、百の頭と無数の声を発し、しかも決して全部が眠ってしまうことがないといわれていました。

 ところで、ヘルクレスは、金のリンゴのある場所までの道を知っている巨人アトラスに、そのリンゴ(不老不死の若さがさずけられる)を取ってきてくれるようにたのみました。そのかわりに、ヘルクレスはアトラスのささえていた重い天球をささえることになりました。そして、アトラスは見張りの竜が昼寝をしている間にリンゴをとってきました。その後、彼はヘルクレスにリンゴをとってくるように命令したユーリステウスのところへ届けてやろうと言いましたが、ヘルクレスはアトラスがもうこのまま戻って来ないだろうと思って「肩が痛くてたまらないから、肩当てをする間、ちょっと天球を支えていてよ」と言うと、人のいいアトラスは承知して支えました。その瞬間、ヘルクレスはすばやくリンゴをつかみ、アトラスに厚く礼を述べて帰ったのでした。

見つけ方

うしかい座
 北斗七星の柄の曲線をずっと延長していくと、明るくオレンジ色に光るアルクトゥルスがあります。その星を中心とした星座がうしかい座です。

りゅう座

 ほとんど1年中休むことなしに、こぐま座のまわりをめぐって点々と星の列が並んでいるのが、この星座です。見ごろは、7月の夕方、北の空高くのぼったころでしょう。

りゅう座流星群

 毎年、1月4日の明け方、1時間に30個、多い時は100個以上の流星が飛ぶのを見ることができます。

かんむり座

 クレタ島の王女アリアドネは半人半牛の怪人ミノタウルスを退治する為にやってきたテセウスのかっこいい姿を見て、いっぺんに大好きになりました。そこで、クノッソス宮殿の迷宮に送られたテセウスに、ひそかに糸玉を贈り、そのおかげで彼は迷宮から抜け出ることに成功しました。ところで、このテセウスというのは、とても薄情な男で、帰る途中、アリアドネをおきざりにしてしまったのです。嘆き悲しんでいた彼女をそっとやさしくなぐさめてくれたのが、酒神デュオニュソスでした。やがてデュオニュソスはアリアドネを妃としてむかえ、7個の宝石をちりばめた冠を送りました。

見つけ方

 北斗七星の柄をのばしていくと、明るくオレンジ色に光るアルクトゥルス(うしかい座)があります。それのもう少し東の方にある小さな星のつらなりが、かんむり座です。

さそり座

 天下にくらべる者のないほどの強者と自慢するオリオンに怒ったヘーラが、この毒虫さそりを放ってオリオンを殺させてしまいました。星座になってからもオリオンは、このサソリを恐れ、さそりが東の空に昇ってくると、こそこそと西の空にしずんでしまい、さそりが西へしずむと、オリオンはさも自分の天下だといわんばかりにどうどうと東の空から昇ってくるのです。さそり座

見つけ方

 真夏の夕方、まだ薄明の残る真南の空に血のように赤く輝く明るい星が、さそりの心臓といわれているアンタレスです。そして、この赤い星をとりかこんで雄大なS字のカーブをえがいているのが、毒虫さそりの姿です。このアンタレスの本当の意味はアンチ・アーレス(火星の敵)、つまり火星に負けないくらい赤い色の星ということです。

射手座

射手座 半人半馬の怪人ケンタウルスの1人ケイロンは、神々から狩猟、音楽、医術、予言などを授けられ、これをギリシアの英雄たち、アスクレピオス(へびつかい座)やヘルクレス、トロイ戦争の英雄アキレウスなどに教えた賢者です。しかし、のちにヘルクレスの放った毒矢が誤って足にささりケイロンは死に、大神ゼウスはふびんい思いケイロンの姿を天上にかざりました。
 このいて座の東半分に六つの星が北斗七星によく似た形をして並んでいますが、これは南斗六星と呼ばれています。

 中国では、北斗七星が死を、南斗六星が生をつかさどる神と考え、人間が生まれるときには、このふたりが相談して寿命をきめるのだと伝えられてきました。そして、十九歳だった寿命をもっとのばしてくれるよう南斗六星にたのだところ、数字をさかさまにして九十歳にしてくれたというおもしろい話もあります。

見つけ方

 晩夏から初秋の宵に南中し、ケイロンの矢はさそりの心臓アンタレスをねらっているかのようです。しかし、よく見るとねらった矢の方向はアンタレスよりずい分下の方を向いています。きっと、あまり長い間ねらい続けていたので腕が疲れてしまったんでしょう!?これでは、さそりのおしりくらいにしか矢はあたらないでしょうが、もし、さそりが動けば矢は飛んでいき、さそりは「いて」と叫ぶでしょう。

へび座・へびつかい座

 へびつかいといっても笛でへびを躍らす芸人ではありません。この人はアスクレピオスといって大変な名医なのです。彼はケイロン(いて座)のもとで育てられたすぐれた医師として多くの人々を助けました。そして、死んだ人までも生き返らせてしまったのでした。そこで人間の数はどんどんふえるという困ったことになり、大神ゼウスは雷光をもってアスクレピオスを打ち殺し、そのかわり大きな姿の星座にしたのでした。

 彼がへびをもっているのは、へびは何回もからをぬぎすてる習性をもつため、不思議な再生力をもつ生き物として、古くから医術のシンボルとされていたためといわれています。

見つけ方

 夏の宵の頭上近く、ヘルクレス座の南側にある大きな星座ですが、あまり明るい星はなく、まず、へびつかいの頭にあたる2等星ラスアルハゲからたどるのがよいでしょう。これを頂点とする将棋の駒のような星のつらなりをていねいに南にたどっていくと、星空にじつに巨大なへびつかいの姿が浮かびあがってくるでしょう。そして、この巨人にからむように西から東へうねっているのがへび座です。また、へびつかいはすぐ下(南)にいるさそり座を両足で押さえつけているようにも見えます。

ヘルクレス座

 ギリシア神話の中で活躍する豪傑の中で、最も力持ちの英雄がヘルクレスです。
 しかし、ヘルクレスは大神ゼウスとアルクメネのあいだに生まれた子だったので、ゼウスの正妻ヘーラ女神ののろいをうけて、多くの苦難が彼につきまといました。そして、ヘルクレスが結婚したのち、ヘーラは彼を狂わせて妻子を殺させてしまったのです。ヘルクレスはその罪ほろぼしのために、12の冒険をヘーラ女神から命ぜられたのです。

  1. 人食いライオンの退治(しし座)
  2. 怪物ヒドラの退治(うみへび座)
  3. いのししの生け捕り
  4. 金の角の鹿の生け捕り
  5. 怪鳥群の退治
  6. 数千頭の牛小屋のそうじ
  7. 火をはく雄牛の生け捕り
  8. 化け馬の生け捕り
  9. アマゾンの女王の帯をうばう
  10. 真紅の牛をうばう
  11. 天国の金のリンゴをとる(うしかい・りゅう座)
  12. 地獄の番犬を捕らえる

 彼はみごとにこれらの難業をなしとげましたが、そのあとだまされて猛毒にあたり、その苦しみから自ら火中に投じて最後をとげました。大神ゼウスは、その死をおしんで天の星座に加えました。

見つけ方

 7月上旬の頃には頭の真上を通っていく。まず、南の空を向いて頭の真上をあおぎやや足の開いたH形の星のならびを見つける。そして胴体、さらに手足へとたどっていくと、頭の真上で、両手を大きくひろげた逆さまの巨人ヘルクレスのみごとな姿がみえてくるでしょう。

てんびん座

 すぐ西隣にあるおとめ座は、農業の女神デーメーテールとも、正義の女神アストライアの姿ともいわれています。てんびん座は、この正義の女神アストライアが手にする人間の善悪を計るてんびんで、人間が死ぬと、その魂はアストライアのところへ行き、そこで、このてんびんにかけられます。そして、もしその魂が善ならば天国へ送られて、再び復活するチャンスが与えられます。しかし、それが悪ならば、てんびんのすぐそばにいる怪物に食べられてしまうのです。てんびん座

 てんびん座は、おとめ座と同じく黄道(太陽の通り道)にあります。今ではずいぶん西にずれてしまっていますが、今から3000年程前には、秋分の太陽はこのてんびん座の位置にありました。太陽がこの位置にくると、昼と夜の長さが同じになるから、てんびん座と言われるようになったのかもしれません。

見つけ方

 おとめ座のスピカと、さそり座のアンタレスとのほぼ中間にある、あまり目立たない星座。正方形に近い四角形が目印。

わし座

わし座 わし座の1等星アルタイルは、アラビア語で‘とぶわし’といい、星座絵にはすぐ南に少年が描かれていて、まるで少年をさらうわしといったふうに見えるものがあります。

 昔、ここに少年を描いた小さな星座がありました。この少年は大神ゼウスが愛した美少年ガニメデウスです。ゼウスは気に入ったガニメデウスを自分の近くにおきたくて、自らワシに化けて少年をさらったといわれています。
 また、アルタイルは、七夕の牽牛星(ひこぼし)にあたります。

見つけ方

 アルタイルは、天の川の東岸で輝いており、両脇に一つずつの星をしたがえている姿は、よく目につきます。この三つ星を北東にのばすと、天の川をこえて織女星(おりひめ)ベガにとどきます。このベガの方はアラビア語で‘落ちるわし’という意味で、このふたつの星がよく一対と見られていたことわかります。

こと座

 オルフェウスは海ガメの甲羅に糸を張って作った琴をもつ琴の名人でした。彼がひく琴の音色はすばらしく、地上のすべての生き物が聞きほれたと言われています。彼はエウリディケという木の精と結婚しましたが、ある日エウリディケが花摘みをしていると、以前から彼女に恋をしていたアリスタイオスが自分の愛を告白し、いやがる彼女を追いまわしました。そして、彼女は逃げているうちに草むらにひそんでいた毒蛇に足をかまれて死んでしまいました。そこで、オルフェウスはなんとかして彼女を取り戻そうと、黄泉(死者)の国へ旅に出ます。そして、多くの困難の末、妻を返してもらうことになったのですが、一つだけ地上に着くまで後ろをついてくる妻の姿を降り返って確かめないという約束をさせられました。彼は大喜びで地上へと帰るのですが、あと少しという所で、不安を押さえきれず、後ろを振り向いてしまいました。たちまち、エウリディケは黄泉の国へ引き戻され、もう2度と会うことはできなくなってしまったのです。こと座

 それ以後、オルフェウスは一生1人ですごし、悲しい音色で琴をひいていました。そして、彼の死後もなお琴は悲しい音色でなり続けやがて琴は天にのぼって星になりました。

見つけ方

 わし座の見つけ方を参照してください。

はくちょう座

 スパルタの国妃レダの魅力に魅せられた大神ゼウスは、王が留守の時に白鳥に変身して彼女をたずねました。レダは気品のある美しい白鳥がすっかり気に入り、恋人のようにかわいがりました。やがてレダは大きな白鳥の卵を2つ生み落とし、ひとつからは双子の男の子が、もうひとつからは双子の女の子が生まれました。双子の兄弟はカストルとポリュデウス、姉妹はヘレネとクリュタイムネストです。ポリュデウスとヘレネはゼウスの子として、残る2人はスパルタ王の子として生まれ、神の子と人間の子が双子に生まれたという不思議な運命を背負って4人はそれぞれ生きていきました。カストルとポリュデウス(ポルックス)はのちに天にのぼって星座(ふたご座)になり、ゼウスの白鳥も天にのぼりました(白鳥座)。そして、次の「レダ」を狙っていることでしょう。

見つけ方

 七夕の織女星ベガ(こと座)と牽牛星アルタイル(わし座)の間を流れる銀河(天の川)の中を少し北に目をうつすと、明るい星が大きな十字型をつくっているのが目にとまります。
 南天の南十字に対して、北十字ともよばれています。
 白鳥の尾のところにある1等星デネブは、こと座のベガとわし座のアルタイルをむすんで銀河の中にすばらしい夏の大三角形を形づくっていますが、この3つの星の中では一番暗く、ひかえめな光りを放っています。

いるか座

 琴も歌も大変上手なアリオンは、ある時、南イタリアで行われた音楽コンクールで優勝し、たくさんの賞金をもらいました。それに目をつけた海賊達はアリオンを襲いました。もはやこれまでと覚悟した彼は、「最後の願いとして1曲ひかせてくれないか」と言いました。心にしみる歌と琴の音に海賊達はホロリとしましたが、ひき終わるとアリオンは海へ身を投じました。ところがアリオンの美しい調べに船のそばに集まってきていたイルカ達によってアリオンは無事助けられました。
 イルカは海の神ポセイドンの使いで、ポセイドンの命令でアリオンを助けに来たのかもしれませんね。

 また、中国では、イルカの頭にあたるひし形が少しひずんでいて、中華料理のギョウザに似ていることから「ぎょう座」と呼ばれているかどうかは知りません!?

見つけ方

 夏の大三角形の左(東)の下(南)の方の小さなひし形が目印です。

や座

 美の女神アフロディーテの子の愛の神エロスは、黄金の愛の矢と、鉛の憎しみの矢の2種類を持っています。そして、もし黄金の矢にあたったら、その人は恋におちて、その恋に悩み、恋の病になってしまうのです。

見つけ方

 夏の大三角形の内側で、わし座のアルタイルとはくちょう座のくちばし(アルビレオ)のちょうど中間に4星がかわいらしい矢をえがいています。